BLOG

2025/05/16 23:05

内装用の木版ってご存知でしょうか?
古代から同じ柄を繰り返し模様を作る時に、型紙や版画の技法が用いられてきました。
内装用木版の印刷は印刷機がなかった頃からの印刷の技術で、柄を木に彫り色をつけて紙や布やタイルに刷ります。
芸術の世界だと広重や北斎の浮世絵も木版画で同じ印刷手法です。色毎に版があり、幾重にも刷ると絵ができあがります。
あの有名なイギリスのウィリアムモリスの壁紙やイギリスのコールアンドサンなど老舗の内装ブランドの壁紙の始まりは木版でした。
もちろん、日本にも内装用の木版はありまして、襖紙の装飾のために日本ならではの伝統模様で木版が彫られ京都の丸二さんや唐長さん、東京の東京松屋さんなどで今もなお大切に保管されています。



イタリアの木版と越前和紙のコラボレーション!

そんな内装用の木版ですが、もちろんヨーロッパにもその文化はあり、イタリアの木版プリントメーカーBERTOZZI(ベルトッツィ)と福井県越前和紙がコラボした襖紙についてお知らせします。

BERTOZZI(ベルトッツィ)はイタリアのボローニャで 1920 年ルネサンス期から手彫木版でハンドプリントする伝統技術を継承し、今なおひとつひとつイタリアの職人の手によって作られています。全て手仕事のハンドメイドプリントなので、同じものは二つとなく年月が経過するほど味わいを増していきます。 
越前和紙はMATERIALの人気商品でもある 襖紙 や 壁装用和紙 でも使われている福井県の越前市で作られた和紙です。
その中でも今回のBERTOZZIの下地の無地和紙は明治初年度に手漉き和紙で創業した福井県の越前にある 山伝製紙 さんが製造しています。伝統的な越前和紙の技術から受け継いできた経験と技術で、古くからある和紙の手漉きの技術、ひっかけ、透かし、漉き入れ、漉き込みなどの技術を用い、多種多様な越前和紙の工芸紙と高機能性和紙を社内で生産されています。


日本でも木版印刷は鎌倉時代の書院造が普及してから襖紙の装飾として使われており、江戸時代には千代紙となって庶民にも親しまれるようになりました。そんな日本人に馴染みのある木版印刷、福井県の越前和紙にイタリアの木版で印刷したものが見たい!そんな想いから今回のプロジェクトが始まりました。


BERTOZZIの代表のGianlugi Bertozziさん、とても優しい通称 Gigiさんです。

実は、MATERIALの姉妹会社の夏水組がパリで開催されるインテリア見本市「Maison et Object (メゾン・エ・オブジェ)」に出展していた時に、BERTOZZIの木版と出会って意気投合したことがきっかけでこのプロジェクトが生まれました!
彼らは老舗の歴史ある会社でベッドカバーやテーブルデコレーションのファブリックを、私たちは和紙の壁装を。

私 「日本では和紙に木版印刷をして襖紙にするんだけど、和紙にBERTOZZIのスタンプできたら美しいだろうなあ。。。」
Gigiさん 「やってみようよ、イタリアに持って帰って試すから和紙をいくつか持って帰るね!」
そんな感じで始まったプロジェクトだったのです!w

「Maison et Object 」に出展した際の過去ブログは こちら から。

そこから和紙の色とBERTOZZIの木版を選び、色をGigiさんに調色してもらってできたのがこちら。
日本の色の和紙、イタリアの古い木版、自然塗料が合わさって、今まで見たことない美しいコラボレーションになりました。
無地の和紙にスタンプした場合と、NATSUMIKUMI MATERIALの襖紙の柄の上に印刷してもらった場合と、
たくさんサンプルを作ってくれて大感激でした。

こちらは王家の紋章を墨色の和紙に刷ったもの。古い木が経年変化で割れているのも木版ならでは。
手作業で木版が施される様子は感動です。 ・・・ 
こちらはGigiさんが古い木版を持って刷っているところが動画で見れます。なんて素敵な模様と色。素晴らしいですね。


日本古来の色の和紙とイタリアの木版の相性がとっても良いのです。
日本の伝統建材である和紙が、イタリアでデビューする日もきっと近いですね!

BERTOZZIと越前和紙のコラボ壁紙を使った事例をご紹介いたします。
MIMARU大阪 心斎橋WEST と MIMARU東京銀座EAST は家族で宿泊できるアパートメントホテルです。
実際にこちらのお部屋に宿泊することもできますので心斎橋や銀座に行く際には是非!


客室のベッドヘッドパネルと間仕切り扉に採用し、ベッドスローとクッションも同柄でつくりました。日本の伝統とイタリアの伝統を融合して作った内装材が作る、新しい和の空間。高級感と落ち着きのあるモダンジャポニズムスタイルの客室が、お客さまをお迎えします。

もっと詳しくりしたい方は こちらの 夏水組の記事 から。

もう一つ事例をお見せします。


ハウスメーカーの アキュラホームの東京のモデルハウス にも採用いただいております。
リビングの一階にある和紙の壁面に用いたのは樫の木の枝の木版ROVERと栗色の和紙です。モダンで落ちつく和室になりました。
また、玄関の壁面にもを採用いただいております。玄関に入った時、シルバーの木版がきらりと光りエレガントな玄関の空間になりました。
こちらは特注の木版になります。

和紙の色と木版をお選びいただき、インクの色をお選びいただければBERTOZZIで特注印刷も可能です。
詳しく知りたいという方はお問い合わせよりご連絡ください。

     

商品のご購入はこちらからどうぞ。

購入する前に、インテリアのコーディネートの相談をしたいという方はこちらもご利用ください。