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2026/09/17 21:07

パリはバカンスが終わり9月。みんな日焼けして9月の新学期を迎え、どこに行った、最高だったとバカンス話で久しぶりに会うパリの住人たちとの会話も弾みます。 

そして、9月になったら始まるのが秋のMAISON&OBJET ParisParis Design Week
MAISON&OBJETは9月10日から14日まで4日間、シャルル・ド・ゴール空港の近くパリの郊外のParis Nord Villepinteで、Paris Design Weekはパリ市内でギャラリーやアトリエ、時には美術館やデザイナーの住まいを公開して作品を見て回れるイベントです。

まずはMAISON&OBJETから!
 「 MAISON&OBJET」ってなに? と言う方は 2026年1月のMAISON&OBJET のレポート をご覧ください。

 2026年9月のMAISON&OBJET Parisのテーマは 
「Pulse in Motion」 Pulse in Motion, un thème, une énergie collective  
       ー脈動する動き、一つのテーマ、一つの集合的なエネルギー 

「私たちは激動の時代の中で、刺激と驚きのある明快で力強い前向きなビジョンを求めています。 
「Pulse」は脈動、鼓動のことで新たな希望へと踏み出す動きで、「In Motion」想いを集めて行動すること。
動き出し、勇気を持ち、繋がりを築き、共有しながら前進することです。 
元気な若い世代だけでなく、ベテラン世代のクリエイターたちが、情熱的なエネルギーを持ち今までのデザインを刷新し新たな魅力を生み出すことで色彩豊かで魅力的なデザインを私たちに魅せてくれます。 

「Pulse in Motion」4つのテーマ
・Union(結合)  : 分断された世界を変えるために共通の信念を持つ人々と経験し成長していく。 
・Leadership(指導者) :  デザインとクリエイターのプロの役割を取り戻し新たな道を開く。 
・Elévation(向上) : 幸福とより良い生活を目指すことによって、住空間の意味と感情をとり戻し高めていく。
 ・Intensité(強烈)  : あらゆることを試し体験して喜びを10倍に。その忘れられない感覚と体験で歩み続ける。
 
「Pulse」脈動、鼓動、「In Motion」想いを集めて行動すること。 
「Pulse in Motion」の動きによって、曖昧で断片化された現代で前進したいという願望を再燃させ、行動を起こそうと皆へ呼びかけることにより自発的で活気に満ちた強いダイナミズムを生み出すことができます。 私たちは再び、新しい市場と美学、アイデアと驚きを発見し、そこから様々な創造が生まれます。 これは単なるトレンドではなく、ファンタジーで活気に満ちた創造的なエネルギーなのです!」 
とフランスのコンサルティング会社 NellyRodiの Vincent Gregoire氏は熱く語ります。 
いつもそうですが、コンセプトやテーマは難解でわからない。。。ですね。 
しかし!坂田的要約によると、「うだうだしてないで誰かと一緒に熱くなって何かつくってちょうだいよ!」ということなのでしょう。Pulse in Motion! 

そして、さらに難解な3つのインテリアトレンドブースの説明を今からしますね。 
ここまででもういいや、とページを閉じる人も多いでしょう。きっと私もそうしています。。。 
ご興味ある方は最後まで頑張って読んでください。きっと何かがわかるはず! 

3つのインテリアトレンドブースの
一つ目は毎年恒例のElizabeth Lericheさんによるトレンド解析、
二つ目は「What’s New? In Retail」で、
三つ目は「Feel the Shift」です。

 In Materia : Matières vivantes  by Elizabeth Leriche 
彼女が今回インテリアトレンドに選んだ言葉は「In Materia : Matières vivantesー生きている材料」。 彼女によって厳選されたアーティストの工房の個性的な作品や小さなアートたちが集められました。 そこには、ハンマーで叩いた金属、木目の不規則な木材、ひび割れた陶器などの素材が使われた作品が多く見られました。彼女はこう言います。 
「これらの作品は素材の豊かさ、作品の独自性、そして卓越した職人技から成るもの。 その質感、不完全さ、変化の中に感じられる静かな生命が宿っています。 それぞれの作業はリズムのある職人の手の動きによって作り刻み込まれ、痕跡が残されている。 それぞれの素材との対話することで、その過程は完成した作品の中に、まるで手の動きを記した文字のようにはっきりと読み取ることができる。職人の手の脈動によってエネルギーが宿り輝き素材が生き返ります。」と。



 そうか、素材は生きている!脈があるのだ!職人の手で作られた不恰好で不均一なものは生きているのだ! 
と私も声を大にしてin Motionな気分で言いたい気分ですが、そんな風に生活していたらなかなか日常が難いですね。これはきっとツルツルピカピカの統一された大量生産品へのアンチテーゼなのでもあるでしょう。 
ここのところ、どこもかしこも自然素材を使うことと大量生産品へのアンチテーゼだらけですが、それは地球環境にとっても大切なこのなので、皆で「In Motion」していくしかないですね!

 Nouveau souffle : What’s New? In Retail  by Pauline Glaizal 

毎年恒例で、小売店へ何を選んで仕入れるべきかを教えてくれるトレンドブースです。舞台美術家、デザイン専門のテレビコラムニスト、アートディレクターなどデザイン業界で多岐にわたる仕事をしている ポーリーヌ・グレイザル は、「Nouveau Souffleー新しい息吹」と題して、新世代のデザイナーと職人や起業家たちの作品を分類し、草花の香りと穏やかなそよ風が漂う空間に配置、野原を散策し五感を刺激する空間構成にしました。
トレンドブースの中はドライハーブが敷詰められハーブの香りとそよ風が吹いていました。膨大で喧騒なメゾンの会場からこのブースに入った時に色や香り雰囲気が変わり、まさに五感を刺激されました!

ー Pauline Glaizal のInstagramより引用

彼女が言うには、 
「私たちは価値や意識といった言葉を頻繁に使うようになり、デザインを生活の中に溶け込むものとして捉えるようになりました。特別なオブジェはそれぞれの物語と想いが込められたことで魂を宿し「手の届く贅沢」になりました。 私は流行に縛られることを避け、代わりに、ありふれたアイテムと傑作が出会うような、予想外のスタイルの対話を生み出したかったのです。スタイル毎の配置は小売業者にインスピレーションを与え、組み合わせを自由にミックスさせる「クロス・マーチャンダイジング」の手法を取り入れ、自社の店舗に合わせてアレンジしてもらいたいです。これからの小売は物語性に富んだ経験を提供し、取引よりも体験を重視し、顧客に購入だけでなく感覚的な満足感も提供することが大切になるでしょう。」と。
 確かに小売店も物を売るだけではダメな時代になっていますし、物語性や体験、モノよりコト的なことが大切だと何年も前から業界では言われていますね。
坂田的にはポーリーヌ・グレイザルが考えた8つのスタイルが面白かったです。

CABANON ー物置 
COLLECTIBLE  ーコレクターアイテム 収集品 
ECSTASY  ーエクスタシー 無我夢中 
DESIGN  ーデザイン 意匠 
RADICAL  ーラディカル 過激 
ROMANTIQUE ー ロマンチック 空想的 
FEMININ SACRÉ  ー神聖な女性 
NÉO 50's ー新1950年代 

この8つのスタイル、今までの北欧系とかジャパンディとは全く違うスタイル分けですね。これらを組み合わせてクロス・マーチャンダイジングする事によって小売店オーナーも新しいアイデアが生まれるし消費者にとってもショッピングを楽しめるようになるよと言う提案。
あなたなら何と何を選んでクロスされますか? 
私は、、、エクスタシーとラディカルを合わせて、、、どんなオブジェを想像しますか?(笑)

 「Feel the Shift」 
今回のMAISON&OBJET とParis Design WeekのアンバサダーはMASQUESPACIO(マスケスパシオ)です。 コロンビア出身デザイナーのAna Milena Hernández Palacios(アナ・ミレーナ・エルナンデス・パラシオス)と、ベルギー出身マーケッターのChristophe Penasse(クリストフ・ペナッセ)は既成概念にとらわれないハイファンタジーの世界を提案する新しい空間デザイナー。
彼らのスペインにあるバレンシアの豪邸を見れば一目瞭然。すごい家ですな。
そんな彼らはインタビューで答えています。
 「私たちは「今の自分たちは何者なのか?」「今の自分たちの理想は何なのか?」「自分たちの創造は世界にアプローチしているのか?」と自問自答しましたが、もはやそうではない事に気づきました。 そしてバリ島で自分たちだけの時間を過ごすことにしたのです。1年間、世間との繋がりを断ちバリの異文化で暮らしたことで、新たな視点を得ました。私たちの消費に対する考え方は変わり、ウェルビーイングに焦点を当てるデザインへ移行しました。トレンドに左右されることは少なくなり、デザインをする時には一人ひとりの物語と繋がることが重要と考え、より個性的、個人的なストーリーを大切にしました。そして情熱はそのままに、より直感的で精神的に進化し私たちは戻ってくることができました。これは素材選びにも反映されています。私たちはますます木材を好むようになり、その木材の持つ不完全さや本物らしさを重視して選びますし、大理石を選ぶ際も一般的なものを選ぶことはできません。私たちは新しいカラーパレットを求めています。素材選びは、快適さ、つまり我が家にいるような安心感と同義です。私たちは、長く人々の心に残るスタイルを求めています。テクノロジーが支配する現代において、私たちは人間同士が再び繋がることを求めています。もっと感情を、もっと色を、もっと!」 
熱いですね!まずはお帰りなさい! バレンシアの豪邸からのバリでの1年間の生活はさぞ異なったもので刺激的だったのでしょう。 1年間のバリ生活後のメゾンのお仕事は、今までのスタイルとは色使いや素材使いが変わって興味深かったです。 
「もっと感情を、もっと色を、もっと!」と言う彼らの言葉、私も同感です。
住空間だから、、、とシンプルが一番とするのは良いと思いますが、お部屋にアクセントで色やアート、オブジェを入れることによって住空間は豊かになりますし、何より空間に愛着が生まれます。この愛着と楽しみを知った人が、また次へと楽しんでいける住まいの上達者になっていくのだと思います。 
彼らのような超ハイレベルな住空間デザインは難しいと思いますが、皆さんも一つ、ここはこだわっていますと言える空間デザインができると良いですね。

2026年9月開催のMaison&Objet Paris のコンセプトと三つのトレンドブースいかがでしたか?
MAISON&OBJET Parisの説明が長すぎて、ここからParis Design Weekのことをお話しするのは気が引けますが続けます!だって、インテリアのプロにとったらパリの秋の大切なイベントなんだもの!


Paris Design Week
インテリアのプロフェッショナルにとって、大きな展示会場で開催されるMAISON&OBJETとパリの街中の中心街で開催されるParis Design Weekのどちらも見逃せません。
よく、違いを聞かれますが、MAISON&OBJETは仕事の仕入れ、Paris Design Weekは楽しみとアイデア収集というとわかりやすいかもしれません。私はパリに引っ越してからは毎年どちらも確認しますが、MAISON&OBJETでは取引先と挨拶して新作チェックとオーダーや新規取引先を探しに行きます。そしてParis Design Weekは子供達と犬一緒に週末のパリの街を散歩しながら、アートやインテリアのアイデア探しをします。


パリの中心部の4つのゾーン+ファクトリーなので合わせて5つのゾーンで開催しています。
美術館や歴史的建造物、アーティストのアトリエや工場、有名なギャラリー、さらにはデザイナーの個人邸で開催されていることも!かなり多岐に渡りパリ市内至る所で開催されているので、全てを見て回るのはかなり時間がかかります。Paris Design Weekで興味のあるアーティストやブランドを絞って見に行くのがおすすめです。


私は今年はマレ地区の展示を見ながらFACTORY巡りをしました。
FACTORYは若いアーティストやインスタレーションなど、小さめのアートが集まって展示されているスペースです。大きな有名ギャラリーを貸し切って展示されています。それぞれのブースにはアーティストがいるので、彼らのコンセプトを聞いてお話しできるのも面白いところ。
MAISON&OBJETとの大きな違いは全てが商品ではないというところ。
「これ素敵だけどおいくら?」と聞くと「これは売り物じゃないんだ、ただ皆の反応を見たいだけ」。
そんなアーティストもいます。Paris Design Weekに出展したということが実績になりますし、有名なアーティストが名前を隠して新作の反応を見るために出すということもあるみたい。


大人はもちろん、子供達も「これは僕の絵に似ている」とか、「私の今度の彫刻の授業で作ってみようかな」とかそれぞれに楽しめます。Paris Design Weekを見てまわっている途中で素敵なカフェでおやつを食べたり、ショッピングをしたり、パリの素敵な街並みをぶらぶらお喋りも楽しみながらお散歩できるのも良いところです。

最近はMAISON&OBJETはパリの郊外だしRERに乗りたくないわというパリのマダムたちもいたりして、Paris Design Weekに移行する出展者も多くなってきているとか。そんな感じなので、MAISON&OBJETは毎年縮小してしまうのでしょうね。。。日本のインテリアの展示会も同じ現象が起こってきているようです。
大型展示会の未来はどうなるのでしょう?何日間のためにブースを作っては壊していくやり方はこれからの時代に合わない気もします。私は効率が悪くても街中を巡る方が好きですよ。

さて、これで今回のレポートはおしまいです!
本当に長くてごめんなさい。最後まで見てくれた方、有難うございました!

今年9月のMAISON&OBJETでのオンラインライブは坂田のInstagramで配信していますし、
MAISON&OBJETで気になったインテリアコーディネートやアイデアもこれから掲載していきますので
ご興味ある方は是非見てみてくださいね!